2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

(1日おいて)2009年の終わり

とうとう2009年も大晦日となった。過ぎてしまえばあっという間だが、怠惰な私にはイベントがテンコ盛りの一年だった。個人的には初の著書『バブルの興亡』の刊行にこぎつけ、それにともなって何やら人と接触する機会が激増したように思う。来年はさらに…

(一日おいて)事態は平常に向かいつつ

けっきょく、アメリカはこの一年を危機克服モードのままで乗り切りそうである。 ところで、その前に、日曜の謎かけの答えを。 お金に価値があるのは、「何に使うのか決めないでよいから」 そして都市の魅力は「何をするのか決めないで訪れても、必ず何かする…

(休日版) 銀座で日曜日

今日は銀座で講演会。『バブルの興亡』の余波です。銀座が私のテーマからいって重要なのは、お金はなぜ価値があるのか?という問いに対する答えが、都市にはなぜ人が集まるのか?に対する答えに酷似しているからです。 詳細は、明日。 今日はこの調子で、臨…

今年は無事に年が越せそうな……

ギリシャ危機が遠のいた。パパンドロウ政権の財政緊縮策(2009年度の12.7% から2010年度には9.1% まで財政赤字を減らすという。ちなみにEUが公式に加盟国に認めている財政赤字上限は3%)を、ギリシャ議会が可決したのだ。 フィッチ、S&Pがギリシャ国債…

サンタがホワイトハウスへやって来た!

というわけで、オバマ政権の目玉「医療制度改革」が上院を通過した。賛成60、反対39で、はっきりと政党で割れたようである。これでやっと全アメリカ国民をカバーする健保制度が出来る見通しとなった。アフガニスタンでの苦境が伝えられる中での法案成立…

新築住宅の販売件数、劇的な低下

商務省によると、全米の11月の新築住宅販売件数(住宅新規着工件数のことか?)が11.3% も下がったとのことである。これは今年3月以来最悪で、しかも昨日の「中古住宅販売件数が顕著な伸び」という情報と合わせると、アメリカ人が全般的に生活水準を落とし…

回復基調の兆しに湧くアメリカ、漂う日米同盟

11月のアメリカの住宅転売件数が7.4% と、予想の2.5% を大幅に上回った。これが景気回復の新たな兆候だと好感されたようで、ダウは0/5% 上昇の10464 ドル、原油は0.11% 上昇のバレル74.48 ドルまで上げてきた。長短金利差(長期金利‐短期金利)も拡大してお…

クリスマス休暇を前に楽観論が広がるも、予断を許さず

昨日のダウは、フランスの製薬会社サノフィ・アベンティスによる米医薬・健康企業チャテムを買収したことが、先週のエクソンによる天然ガス企業買収からはじまる大型買収トレンドのはじまりと解釈され、前日比0.83% アップの10410 となった。ここ数日間、上…

みんな、2番底が怖いらしい

巷には、2番底がやって来るという観測が強まっている。 確かに、鳩山政権の底しれない無能さを見ていると、株価の暴落も間近いような気がする。 だが、誰もが心配していることというのは、なかなか起きにくい。2番底懸念から投資資金が干上がって資産価値…

(休日版) 小室直樹の理論とは?

ううむ。濁り酒の恐ろしいことといったら、目が覚めたら午後だった。 それはさておき。 小室直樹である。今を時めく橋爪大三郎、宮台真司の師匠の大社会学者であり、京都大、ミシガン大、ハーバード大、MITなどで学術武者修行をしてまわって、最後に東大…

すべてが曖昧なままに、週末へ

取引開始とともに急上昇を記録したダウだったが、じきに急落をはじめ、一時は前日を割り込んだ。最終的には、前日比 0.2% の微増、である。原油はバレル73ドルまで上げ、金も微増だった。 一般ニュースとしては、コペンハーゲンの環境サミットで何らかの合…

Ben Bernanke, Man of the Year

昨日のダウは、前日比1.27%低い10308ドルで終わっている。前日の終わりより低いところから始まり、下げ基調の一日だった。 経済データが色々出てきて、見出し的には「回復は緩慢」ということになるのだが、真相は「景気刺激策に支えられた回復、息切れ」なの…

分岐点まで来たアメリカ経済

昨日のダウは、朝に大きく上げた後で、じりじりと落としていき、けっきょく前日比で微減に終わっている。 「利上げはしない」で上げて、「アメリカ経済は当分弱含みなので、インフレ懸念は希薄」という、利上げをしない根拠が投資界の意識に浸透するとともに…

ダウ、10452に逆戻り − インフレ懸念?

ダウ、昨日から、半パーセント・ポイント近い下落である。 11月中の卸売物価上昇率が、年率換算で1.8%まで上昇したからだという。コア・インフレ(エネルギーと食糧を除いた物価上昇率)は0.5%上昇。どちらも、エコノミストの予測の平均値を上回ったのと、…

ダウ、10500に到達

アブダビがドバイ救済に、ぽん、と100億ドル。 そしてエクソンが天然ガス企業XTOを完全買収して、290億ドル。 こうした気前の良い動きのおかげで、ダウはじわり、と前日比で0.5%上昇した。3月の底からは、相当に上げている。 だが、そのいっぽうで…

中国経済は、どこまで成長するか

一部の気の早い向きからは、次の覇権国が中国だという見方が出てきている。中国政府内部でも、人民元を基軸通貨にしたいと考えている人たちは、けっこういるようだ。 確かに、ここ数年の中国経済の躍進ぶりは目覚ましい。特にリーマン・ショック後の一年間で…

(休日版) あまり語られない 映画の「引用」

「あ、この場面、見たことがある」 映画を見ていて、そんな既視感にとらわれることがある。 それは別段、心理の作用でも何でもなく、じっさいに他の映画から持ってきているだけのことである。その場で見ている映画の監督の、もとの映画に対する尊敬と愛情か…

回復しつつあるアメリカ、接近を続ける日中

アメリカの小売が前月比で1.3%の増加を見せ、消費者感情も改善されてきたというデータが発表され、昨日のダウは微増だった。いっぽう、ドルも微増し、金はオンス1200ドル超のピーク水準から下落を続け、オンス1120ドルを割り込んだ。原油価格も、ドルの上昇…

アメリカの国民純資産、上昇

リーマン・ショック前にアメリカの国民純資産は64.5兆ドルだったが、その後、暴落している。純資産というのは、株(企業)と住宅(家計)の資産ストックの合計であり、株価も住宅価格も暴落しているのだから、当然だろう。 その純資産が、2四半期連続で増え…

アメリカ、医療改革の行方

オバマ政権にとって一年目で最大の懸案事項である医療改革法案(来年はまた別の大型懸案事項が浮上するのだと思う)だが、どうやら上院民主党のコンセンサスを得られそうだ。 きわめて現実的な選択肢で、一つは高齢者向けの医療制度メディケアを、従来の65…

ここで日本に目を転じると……

アメリカではオバマ大統領が、総額1500億ドルの追加景気刺激策をぶち上げている。そろそろ、為替か金利に跳ね返ってくるのではないか。いっぽう、市場はドル安が株高を呼び、株高がドル高を呼び、ドル高が株安を呼び……という、きわめて頭の悪い展開とな…

ダウ上昇、だけど0.1%

アメリカ時間の昨日、バーナンキFRB議長の最新の経済認識が公表された。 「労働市場は弱く、消費者は慎重、企業も個人も資金繰りは苦しい」 この認識の背後にある情勢認識は、 「当面、金利は上げられない」 というものだ。 朝方、市場は言外のメッセージ…

不穏な動き?

昨日、本国版の Yahoo! のファイナンス欄に登場した記事で、 「北朝鮮、兵士に市民を撃つよう指示」というものがあった。許可なく国境(おそらく、中朝国境の鴨緑河だろう)を超えようとする者は射殺せよと、国防会議が指令を出したというのである。脱北者は…

(休日版) 漱石とユゴー、「国民作家」の和と洋

先日、友人の友人に紹介された際に、なぜかユゴー『レ・ミゼラブル』の話になった。友人も、そのまた友人も、私よりも少し年嵩で、社会経験はよほど豊富なのだが、大人になって読みなおした『レ・ミゼラブル』が、とにかく面白いというのである。 ベトナムで…

アメリカ景気に希望の光が差した……

アメリカ時間昨日(日本時間では昨夜)、全米の失業率データが発表された。前月と同じ10.2%になるものと思われていたのが、10%へと下がっていたことが、大きく報じられている。 さらにいえば、数日前にも取り上げたと思う Institute of Supply Management な…

ドルに代わる基軸通貨は何か?

私がアメリカの株価暴落が必然だと考える最大の理由は、ドルの信認に問題が生じていると判断するものだからである。1982年以来、貿易赤字の増大はとどまるところを知らず、この先人口が高齢化するとともに、いっそうこの問題は悪化するだろう。 貿易赤字…

景気回復とアフガン増派

アメリカが自信を取り戻し始めている。 オバマ大統領のアフガニスタン3万人増派が経済悲観論のただ中でなされてはならないということなのだろう。FRBは参加の連邦準備銀行の担当する12地区のうち8地区で景気が改善したと言い、ガイトナーは不良資産救…

アメリカ経済は……今こそ危ない?

世の中に景気循環というものが存在する以上(本当に循環するものなのか、「たまに経済成長が起こる」という性質のものかはさておき)、「暴落が来る」「不況が来る」と言い続けていれば、いつかは必ず予言が的中することになる。要は、タイミングの問題で、…

ドバイからアメリカへ?

昨日(日本時間で昨夜)、ドバイ政府が「ドバイ・ワールドの債務は保証しない」という声明を出した、らしい。今一つ言葉使いが不明瞭だそうだが、確かに法的にはドバイ・ワールドは政府系ではあるが、一私企業である。アメリカのファニー・マエ、フレディ・…