2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

金を砂漠にばら撒いていた国際金融界

週末の間、海外の論調はドバイ危機に関する暗鬱な想像を強めていったようだ。だが、実はドバイの隣国アブ・ダビは、世界の原油埋蔵量の1割を抱え、その国富ファンドの資産総額も9000億ドルと、ドバイ・ワールドの負債総額の実に15倍にものぼる超巨額…

(休日版) ゾンビ映画今昔

ジョージ・A・ロメロの新作『Survivial of the Dead』が完成して、来年春の公開を待つばかりとなった。「Dead」と「Survival」が同一タイトルに含まれる珍妙さは、言うまでもなくロメロお得意のゾンビ映画だからである。内容は、離れ小島を舞台にした二つの…

対照的な東西の金融市場

一昨日から昨日にかけての「ドバイがヤバイ」騒ぎ、ついに来たかと思わせたが、ヨーロッパの各市場は日本時間で昨夜のうちにかなり戻している。アメリカも、最初は大きく下げたが、サンクスギビングで短縮された市場の会場時間のうちに、最初下げ、後に上げ…

ドル、ドバイ、七面鳥

アメリカはサンクスギビングである。だから、アメリカ発のニュースでは、ニューヨーク名物、老舗デパート「メイシーズ」のパレードなんかが大きく取り上げられることになる。「行く年来る年」みたいなものだ。 それでは金融関連もお休みかというと、そんなこ…

分かれ道のアメリカ

昨日(昨夜?)のダウは、30ポイントの平均となった。意地の悪い言い方になるが、依然として統計誤差みたいな「微増」だ。失業保険申請者数が50,100 から46,600 まで低下し、しかも予想の500,000 を下回っていたこと、住宅購入件数が6.2% 上昇したこと、消…

ダウはもちこたえ……ているの?

23日には133ポイント上げたダウが、24日には17ポイント下げている。依然として不透明な状況が続いている。バブルの時の株価がキャピタル・ゲインを織り込んで上昇するものである以上、「上がらなければ、下がる」というのが、ポスト・バブルの株の動きの…

ダウはもちこたえ、財務長官交代の噂が。

ダウがもちこたえている。低落傾向が出ていた先週末に比べて、130ポイント以上の上昇となって、投資界を安心させている。ヒューレット・パッカードの好決算と、中古住宅の販売件数が前月比で10%増と急上昇したことが、買いに向かわせたということのよ…

(休日版) 『ビリー・バット』の飛ぶ空

浦沢直樹の『ビリー・バット』第2巻を読み終えた。謎が謎を呼ぶ……と言いたいところだが、私には何となく作者の目指しているものが見えて、ちょっと興ざめである。 浦沢は、手塚治虫の『火の鳥』がやりたいのだ。 終戦直後の東京から『火の鳥』を説き起こす…

人民元は、いつ上がる?

東アジア諸国歴訪の旅から帰国したオバマ大統領は、「今回の外遊はアメリカ経済をブーストする」と言っているそうだ。まあ、これから上院で重要な健保改革法案を審議するのだから、少しでも景気をつけたいところなのだろう。だが、じっさいには東アジアのオ…

昨日からの続報

週末はお休みにするつもりだったのだが、アメリカ時間で金曜日の株式取引が終わるのがこちらの早朝とあって、土曜の朝に書いている。まあ、もともとが自由業なのだから、関係ないのだけれど。 20日金曜のダウは、朝から下落していって昼前に底をうち、午後…

ダウ、2番底に向かって、ついに動き出す?

昨日のダウは、市場が開くとともに150ほどまっすぐ下げていき、昼ごろに下げ止まり、そのまま微増するという動きを見せた。最終的には、前日比で100ポイント近いマイナスだ。 この一週間ほど、悪いニュースが続いたが、朝に大きく下げ、午後に大きく上…

オバマ大統領、「2番底」を懸念

President Obama warns of a "double dip" recession.という報道が日本時間で昨晩になされていた。AP通信電で、どうやら北京で以下のようなことを言ったようである、オバマさん。「雇用促進のための減税を考慮中だが、財政赤字がこれ以上増えると、国民(…

ゴールド投資の将来性

金(ゴールド)が上がっている。すでに、オンス1100ドルを超えて、毎日記録を更新中だ。しかも、この金価格の高騰は、IMFが準備金を今年、400トン以上の放出を決定したうえで、なお続いている。ドルの信認について不安なアメリカ政府の意向を受け…

中国がアメリカの経済運営に警告を……

日曜日のことだが、中国銀行業管理監督委員会の劉明康主席(委員長ですね)が、 「アメリカの超低金利政策のせいで、巨大なキャリー・トレードが発生している。世界中で資産価値が上昇して、このままでは経済回復に水をさしかねない」と、大意そういう警告を…

2番底は来るのか?

初の著書『バブルの興亡』が出てから、今日でだいたい一カ月になる。その中で私は究極の楽観論(「バブルがまた来ますよ!」)と悲観論(「でも、そのあとは地獄ですよ!」)が組み合わさった予測をしているわけだが、その予測の大前提は、「半年以内に2番…