みんな、2番底が怖いらしい

巷には、2番底がやって来るという観測が強まっている。
確かに、鳩山政権の底しれない無能さを見ていると、株価の暴落も間近いような気がする。
だが、誰もが心配していることというのは、なかなか起きにくい。2番底懸念から投資資金が干上がって資産価値が大きく下げるというシナリオはありうるものの、そのシナリオが広く共有されている分だけ政府(まあ、今は機能していないのかもしれないのだが)も日銀も準備を強化して、備えを万全にしておくものである。ドバイ・ショックを見るとわかると思うのだが、たいていのショックは、短期的には吸収可能なのである。
備えが万全なもう一つの理由は、今では世界の金融当局がバブルとその後始末について、ある程度学習しているからだ。日本の「失われた10年」がもたらされたのは、直前の経済危機だった狂乱物価の再来を警戒していたせいで、引き締めを続けすぎてしまったためでもあるわけだが、「バブル→バブル崩壊」というものを、この四半世紀で先進諸国は何度も目にしている。わりと見当がつきやすいのである。外貨準備が大きく、中国への輸出も好調な日本経済だけが、いきなりがらがらと崩壊するとも思えない。
2番底が来るとすると、それは北朝鮮アメリカからである可能性が高い。ぼろぼろぶりでは、アメリカの金融機関も北朝鮮経済も、どっこいなのである。危機の出所が予想のつかない形のものであればあるほど、その後の株価の下げ方は激しくなるだろう。
日本株だけを心配しても、しょうがないのだ。