ダウ、大幅反騰

ダウ、2.5% 近く上げています。
何がグッド・ニュースなのか? 記事や論説を見る限りでは悲観論が圧倒的に強い。"Beating the Business Cycle" で知られる(よい本です)Economic Cycle Research Institute も、「不況に再度突入する確率は50% を超えた」と宣うている。
まあ、こちらは長い目で沈没ぶりを見ていましょう。ただ、次の暴落の引き金を引くのは上海市場であるような気もする。

その中国だが、インド・パキスタンで領有権紛争の続くカシミール地方のパキスタン占領地域に、人民解放軍1万人以上が入って行ったというニュースがあった。私はこれをヘラルド・トリビューンのOp/Ed (論説)で読んだのだが、友人はインドの新聞のウェブ記事から探してきた。ヘラトリで面白かったのは、ワシントン・ポストのOBだか偉い人が書いているということ。ワシントン・ポストの記事にならなかったということか。少し勘ぐると、アフガニスタンで苦戦する米軍の目と鼻の先を整然と人民解放軍の大部隊が移動してパキスタン入りしたという事実は、イラクからの撤退が進行中の現在、報道してほしくないということなのだろう、オバマ政権としては。で、その意向がポスト紙に通った、と。
中国はもともとパキスタンと仲がよかった。だが、インドが経済成長路線を邁進しはじめ、アメリカにとって重要な同盟国という位置づけとなり、しかも核武装を公表した現在、中国にとってパキスタンの重みはいっそう増したことだろう。いっぽうのパキスタンは、いつアメリカに切り捨てられるかわからない(そりゃそうだよ、アメリカとアルカイダとの戦争ではアメリカの足を引っ張るだけなのだもの)。だが、外部からの資金援助がなければ、パキスタン国家は崩壊してしまう。ということで、中国のインド洋進出に弾みがついたわけである。
中国はすでにインド西部に港を建設中で、このたびはシルクロードの要衝として知られるカシュガル経済特区に指定した。胡錦濤政権の「西部大開発」は、単に貧しい内陸部をどうしようというだけでなく、中国の西側に広がる国々との関係を強化し、石油と天然ガスの安定供給を目指そうという戦略でもあったということか。

日本では、「自民党の中堅・若手が菅総理続投を希望」という話が面白い(yahoo.co.jp のニュース)。具体的な名前が出てこないのが残念だが、そこらへんに突然の小沢と管の対立の真相が潜んでいそうである。

ところで、昨日は1 ドルが83 円代に突入する中で、日経平均は大幅に上げている。外国から流入した資金が、長期的な観点から日本株に向かったということか。