ダウ、2番底に向かって、ついに動き出す?

昨日のダウは、市場が開くとともに150ほどまっすぐ下げていき、昼ごろに下げ止まり、そのまま微増するという動きを見せた。最終的には、前日比で100ポイント近いマイナスだ。
この一週間ほど、悪いニュースが続いたが、朝に大きく下げ、午後に大きく上げるという「U字型」と、朝に大きく上げて、午後に大きく下げる「逆U字型」が交互にやって来ていたダウ平均である。方向性がつかめなかったのだ。それがここへ来て、いよいよ読みが下向きに集約されてきた、ということか。
それも当然で、本当に悪いデータしか上がってきていない。詳細は避けるが、サブプライム危機の根っこにあったファニー・マエ、フレディー・マックの二つの住宅金融公庫(住宅ローン保証)が依然として大赤字を垂れ流し続けている。ファニーもフレディーも、保証した住宅ローンの滞納が増えているというのだ。それに加えて、連邦住宅保証公社も破綻懸念が出てきている。
また、俳優ニコラス・ケイジニューオーリンズに持っていた住宅2軒を差し押さえられたことで注目されたのだが、まともな財政状態にあるはずの人たちまで(ケイジは来年、すでに10本ほどの映画出演が決まっているという。ただ、金に困っているから「バンコク・デンジャラス」なんかに出たのかもしれない、などと埒もない想像が働いてしまう)資金繰りに困るようになっているという問題が出てきた。サブプライム住宅ローン危機どころか、信用度の高いプライム・ローンまでおかしくなってきたのである。
これは人づてに聞いたことだが、11月末にはヘッジファンドの決算が集中しているということで、ファンドの投資先資産の価値下落から、これも暴落要因になる可能性もある。「ブラック・ハロウィン」にはひやりとさせられただけだったが、「ブラック・サンクスギビング」は冗談ではすまされないかもしれない。本当の恐怖がハロウィンではなくサンクスギビングというのでは、あまりにブラックユーモアが強すぎる。もちろん、FRBはそんなことはお見通しだろうが、ドル安懸念が強まっているとあって、資金の大量供給には二の足を踏まざるを得ないだろう。
日本の株価はすでに下落基調に入りつつあるが、ここでアメリカでも暴落が起きれば、どこまで悪くなるかわからない。今年も暗鬱な年末年始になりそうである。