銀行危機、やまず(アメリカ)

ネバダ州で銀行が閉鎖された。今年に入って破綻したアメリカの地銀としては、83行目である。昨年6月の時点で40行だったというから、相当に危ない。連邦預金保険公社は、銀行破綻に関しては「今年がピーク」と見ているが(どういうマクロ経済予測にもとづいているのだ?)、同時に今後4年間で1000億ドルが破綻銀行の預金保証に費やされるとも予測している。これら地銀の経営悪化は、商業用不動産の価格下落らしい。ここから急激かつ大規模に問題が悪化するような気がしてならないのだが。

クルーグマンはドイツが「1932年の再現」だと評しているし、エリオット・ウェーヴ研究所のデビッド・プレクターは、数年後にはダウ平均が1000ドルまで下落するという予想を出してきた。徐々に超悲観論が広まりつつある、ということか。私も二番底論者なので、このあたりの展開は、ちょっと心強い。

アフガニスタンの鉱物資源の話だが、埋蔵量の推計額が1兆ドルから3兆ドルに跳ね上がっている。何が起きているのやら。中央アジアコンゴが生まれた、ということだろうか。経済発展よりは資源争奪の大戦争に発展するというのが順当な予想だろう。

日本の新幹線のベトナムへの輸出が、ベトナム議会に却下されてしまった。ベトナムは純然たる民主主義国でないのだが、そんな国の議会に「金がかかりすぎる」と、見れば誰でもわかるような問題点を指摘され、挙句の果てに葬り去られた不幸な案件。だいたい、日本の東海道新幹線は、東京と大阪の間に横浜、静岡、浜松、名古屋と、巨大産業都市がいくつも並んでおり、経済効果が高かった。だが、ハノイホーチミンでは、間に観光地しかないのだ。私としては、ハノイ=ハイフォン間から始めるのが賢明だと思うのだが(ハノイの空港からハノイ市内、というのも悪くなさそうだ)。

ただ、新幹線や原発などの大規模輸出の場合、成功すればしたで、円の為替レートが切り上がって、国内景気的にはもとの黙阿弥という結果になりそうである。今の、世界でも有数の人件費の高さを誇る日本で「外貨獲得」は経済戦略の目標になるのか。そのあたりを、きちんと詰めてほしかった。もっとも、これは鳩山政権時代の話だ。管政権では……いつまで続くかわからないが、もっと議論が粗雑になるのだろうな。

そんなことを言っている間に、新しい週が始まった。