ダウ、下落

昨日はさしたる理由もなくダウが下落した。114ドル、1.03%下がって、10783ドルである(端数は四捨五入)。金は1210ドルと高水準のままだが、原油は74ドル台まで下げた。不景気→インフレ懸念遠のき、というのと、ユーロ危機→有事、という読みが併存しているわけだ。ただ、戦争などでなしに起こっている現在のユーロ下落はドルと円に対する「準備通貨需要」を押し上げるはずで、ドル建ての金価格上昇はちょっとわかりにくい。あまりにユーロ下落が急(すでに115円台まで下落)ということなのだろうか。それとも、ギリシャが内戦に突入すると、誰もが思っているのかな? 私のように?

注目するべきは、ニューヨーク州の司法長官、アンドリュー・クオモが、8つの大手銀行に対する捜査を開始したというニュース。かつてのこのブログでも「クオモ、ゴールドマン刑事捜査に着手」と間違えて書いてしまったが、事実はそれよりさらに大がかりだったわけだ。他の金融機関の評判にも泥が塗られた形で、「最大の勝者はゴールドマン」などという評もあった。この動きはオバマ政権の方針とは異なっているようだから、大統領狙いのクオモがホワイトハウスとの事前調整なしに突っ走っているということなのだろう。
もっとも、クオモはアメリカの連続テレビドラマの準主役が勤まりそうなきつい顔立ち(イグアナ系)なので、国政の場でどこまで伸びるかは不明である。それでも、私がオバマだったら閣僚ポスト(財務あたり)を用意して牙を抜くね。

もう一つ。トヨタの裁判の賠償金額が最終的に800億円台まで行く可能性があるそうな。まあ、毎年裁判費用に10億ドルずつぶちこんでいけば、80年間戦ってもお釣りが来るという計算だ。今度はトヨタさん、よく考えて対応してほしいものである。

いっぽう、トヨタ騒ぎの一応の責任者のラフード運輸長官、日本に来てリニア・モーター・カーに試乗していったとの由。リニア技術、実用化段階に来ているのだろうか? アメリカでやるとすると、ニューヨークから東部、中西部の中位都市のいくつか(ピッツバーグデトロイトミルウォーキーセントルイス)とシカゴをつなぎ、ボストンからオタワ、モントリオールまで繫ぐという「東部回廊路線」が理想的なのだが、その場合の実施主体は誰なのだろう? 運輸長官をいくら感心させてもしょうがないと思うのだが。グーグルのセルゲイ・ブリンを接待すれば、ことは運ぶかもしれない。JRを買収されるリスクもあるにせよ。
故事としては、確かに訒小平は新幹線に乗って改革開放路線を決意した、という話があるのだが。

日本ではソニーの業績回復が目覚ましい。これについては、何もコメントはなし。いずれ南北朝鮮が統合された際には、税負担の激増に耐えかねてサムスンも現代も日本に本社を移すのではないだろうか。同じことは、ハイアールにもレノボにも言える。だから、日本の製造業の業績の上下で一喜一憂しても、しょうがないのである。