ダウ、さらなる下落

金曜もダウは下げ続けた。140ドル/1.33ポイント下げて、今や10380ドルである。
木曜の急落について、コンピュータの売買プログラムの問題であるという話だが、それは以前にもあった話だ。確か、1987年くらい?つまり、日本のバブルの引き金になった、ブラック・マンデーである。だが、自動的に大量の売りが出てしまうのは、経済が不調で、売りストレスとでも言うべきものが市場に蔓延しているからだろう。もちろん、政府当局としてはそんなことを認めるわけにいかないのだが。
ユーロ圏は……メルケル独首相が「ユーロ加盟国に課されるマクロ経済の健全性用件をもっと厳格に」と宣うている。選挙を睨んでの発言だろうが、アメリカの金融規制改革と同じで、今になってこういうことを言うのは、金融引き締めと同じ効果を持ってしまうはずなのだが……。そして、今ではギリシャ問題はユーロ圏全体の問題として認識されはじめている。恐怖感が市場を覆い始めているのだな。

「冒険投資家」ことジム・ロジャーズが数日前に「誰もが健全だと思っている国際的な銀行が危ない」と言っていた。悲観論を述べている中での話だが、記者はゴールドマンかJPモルガン・チェースのどちらかと思っていた。私は、これは表向き経営が改善されているシティのことだと思う。シティ危機がこの局面で発生すれば、大激震である。

いっぽう、中国は年10%を超える成長を見込んでいる。万博景気もあるのだろう。静岡方面は輸出需要で景気がよいという話も最近さる有力情報筋から聞いた。ところが日本銀行は、欧米に吊られて株価が下落するのを懸念して、1.5兆円の資金を市場に供給している。そろそろ、バブルの種が撒かれているようだ。