ダウ反落、2%下げ

今度はダウ、225ドル、2%の下げである。今年2番目の下げ幅だとか。もっと気になるのは、この数日間のボラティリティーが50年ぶりとかいう話で、アメリカの投資家層の不安のほどがうかがえる。
原油も82ドル近傍まで下がってきた。イランがホルムズ海峡で大軍事演習を行い、ニューヨークではイスラム・テロが発生しているというのに、インフレ懸念は遠のいているということか。有事よりは金融規制であり、ギリシャ危機ということのようである。
そのギリシャ危機だが、さっそくストが発生した。それも、アクロポリスの丘を占拠して、パルテノンに垂れ幕をつけている。垂れ幕の文句は「ヨーロッパの人々よ、立ち上がれ」だが、ヨーロッパでいちばんお金がある人々が立ち上がってギリシャ支援に「ノー」と言いそうなのが今回の危機ではないのか。しかし、この期におよんで『共産党宣言』みたいなことを言っているのだから、左翼の呪縛は強烈である。その結果がブラック・ジョークみたいなのは、たいへんけっこうなことだと思う。

日本の市場は閉じている。さぞかしパニックを起こしていたことだろう。心ある国民はゴールデン・ウィーク中もパニックを起こしていたかもしれない。言うまでもなく、沖縄の鳩山首相のことである。あれで事態は悪化したのではないかな。私の見たところ、事態を悪化させることが鳩山氏の目標(彼自身がそういう戦略目標を持っているのではなく、彼自身を登板させた者たちの思惑)が、そもそも事態の悪化なのだが。アメリカ側が鳩山氏を「LOOPEY」呼ばわりしたり、トヨタをいじめたりしているのは、明らかに鳩山政権に対して苛立っているからだ。だが、それでいてそんな鳩山政権の真意について誰も考えていないのは、日本側の演技が巧妙なせいもあるが、アメリカもイランとの和解という大芝居があるから − そんな風に勘ぐってみたくなる。秘密会談は、アフメディネジャドがニューヨークにいる現在、テヘランで行われているのかもしれない。それも、ブレジンスキーとかナイなど、政権と適度な距離のある人によって。いずれにせよ、その成果は近日中に明らかになるのではないか。と、まあ、妄想は際限なく逞しくなるのです。