ダウ回復

ダウの乱高下は止まらない。金曜日の下落分を、月曜日にはあらかた取り戻してしまっているのだ。ただし、それに合わせて原油も86ドルへ。
注目するべきは、アフメディネジャド・イラン大統領のニューヨーク入りである。核兵器の廃絶を、とオバマと同じことを宣う「テロ国家の首魁」は、どこで、どのようなタイミングでオバマもしくはバイデンと話しあいをするのだろう。もしくは、アメリカ国民に和解を訴えかけるのだろう。訪米直前に国内で人気のある補助金をいくつか打ち切ってきたというのも、何やら背水の陣に思えてならないのだが。
他には、特に何もなし、か。今週はドイツの譲歩でギリシャ危機が無事におさまったのかどうか、第二ラウンドが控えている。一般のギリシャ人が融資の条件として政府が合意した緊縮政策に従うとは思えないし、ドイツの有権者もこんな無責任な人たちに金を貸しても無駄だと(もっともなことを)理解しているはずだから、収まりようがないのである。EUの「統合」がどの程度のものなのかが、これではっきりしよう。
ちなみに、私の予想はギリシャは内戦に陥り、隣国ブルガリアが武器の密輸で潤った後に、こちらもまた内戦に陥り、「バルカン半島のバルカン化」がまたしても発生するというもの。
アメリカでは、メキシコの麻薬戦争が凄まじいというのが、実はいちばんの懸案事項だろう。バルカンにメキシコにと、二つの巨大経済圏は周縁部がえらいことになっている。いっぽう、日本にとっての周縁部問題は「ゴールデンウィークの渋滞」くらいなのだから、呑気でよい。
この呑気さが、いつまでも続きますように。