すごい泥仕合が……

「米上院が公表した資料によると、ゴールドマン・サックス(GS)<GS.N>が2007年後半、高リスクのモーゲージ証券類の下落を見込んだ取引で利益を上げ、幹部はこれを称賛していたことが明らかになった。」
これが、Yahoo! 日本語版のファイナンスのコーナーに登場した記事である。自分たちが売った証券の値下がりに賭けて some serious money
(すごい大金)が稼げると、社内のメールでやりとりしていたようなのだ。
面白いのは、そんなゴールドマンをぐいぐい絞るはずの証券取引委員会については、こんな記事が出ていたということ。
「SESスタッフ、仕事中にポルノ・サイトを鑑賞」
これによると、証券取引委員会の監査役が過去5年間での委員会幹部職員のパソコン使用の記録を調べたところ、長時間にわたってインターネットでポルノサイトに接続していた事例が33件見つかり、しかもそのうち31件は過去2年半 − つまりリーマン・ショック以後であった、ということである。中には、一ヶ月間でポルノサイトへのアクセスが1万6000回もブロックされ、それにもめげずに「セックス」や「ポルノ」というキーワードを使わないグーグル・イメージで委員会のインターネット・フィルターを迂回して、露骨な画像を大量に溜め込んだ会計士、などというご仁もいたようだ。
前者の情報はヘラルド・トリビューンの一面にも出ていた。後者の記事は、Yahoo! でちらと登場したが、ヘラルド・トリビューンでは9面の下のほうに出てくるだけである。どちらが今のご時世で深刻なスキャンダルか、というのが、このあたりに窺われると言えようか。