オバマで安心

朝方には100ドル近く下げていたダウだが、最終的には住宅着工件数が伸びたのと、オバマの金融規制改革についての演説の内容が穏健だったのとで、0.08%上昇して11134ドルになった。特に付け足すこともないのだが、こうして着々と回復基調が定着し、すなわち利上げに接近しているということについて、投資家たちはどう考えているのだろうか? 次の「ブル」循環になると、本気で思っているのだろうか? まあ、昨年3月にそこに賭けた人たちとしては、そう考えるのが合理的、ということになるのだろう。もう一年以上、回復が続いているわけである。

興味深いのは、イランが大規模な軍事演習をホルムズ海峡で行っているのに、原油価格がびくともしないことか。まあ、アメリカ側が警戒信号を出していないから誰も驚かない、という仕掛けなのだろうが、サウジアラビアもドバイも騒がないというのが不思議だ。

そしてタイ。ついにバンコクシーロム通り(悪名高いパッポン、タニヤなどの通りの出口にあたるメインストリートで、ビジネス街でもある)で爆弾騒ぎが起きた。もう遊びに行けんな、バンコク
タイは楽しい場所だったのだが、その楽しみがイサーン(東北)地方の人たちの苦しみと絶望の上に成り立っていたということが、今回の騒ぎでよくわかった。そして、その構図は現在のグローバル経済のそれとまったく同じである。タイとは飛行機のトランジットくらいでしかおつきあいのなくなるであろう私としては、「他人の苦しみを必要としない繁栄はありうるか」などと、哲学的に自問するしかなくなってしまう。