ギリシャの金利低下、されどダウ伸びず

ユーロ圏の蔵相会議がギリシャ支援を明らかにしたことを受けて、ギリシャ国債ドイツ国債の間の金利スプレッドが急落した。400ポイント近かったのが、340ポイントまで落ちてきたのである。
だが、それほどの朗報も、アメリカの株価にはそれほどの影響がなかったようだ。18か月ぶりにダウ平均が11000ドルを超えたのはよいのだが、午後になって相場は急落し、けっきょく前日比で0.1%以下の上昇となった。統計誤差どころではない。
面白いのは、イランが核開発を一歩また一歩と進める傍ら、対イランでの最強硬派のヒラリー国務長官の、最高裁への転出が噂されはじめているという事実だろう。まだ噂でしかないが、エマニュエル首席補佐官は医療制度改革の成功の「手柄」としてシカゴ市長選へ出るというし、クリントン人脈(エマニュエルはオバマよりはクリントンに近い)は近々一掃されてしまいそうである。アメリカがバブル漬けになったのも、ゴールドマン・サックスがここまで強くなったのも、すべてクリントン時代(クリントン大統領誕生のわずか10年前の、全米最大の証券会社は、今は亡きメリル・リンチだった!)というわけで、アメリカが金融覇権路線に背を向ける兆候と見ることもできよう。